数の教具(3歳児)

 モンテッソーリの数教育は、紙と鉛筆で学ぶ「勉強」ではありません。「数の教育」といっても、計算が上手になることを目指すのではなく、手で触れたり、体積や重さのある具体的な量を扱いながら、実際に自分で体感し、数の世界に親しんでいきます。  

 写真は【赤と青の数棒】という教具。1は10㎝、10は100㎝の棒ですから子どもにとってはとても大きな教具です。10㎝の棒から絨毯に運び、一本ずつ棒を運んでいきます。10㎝ずつ長く、そして重くなっていきます。この大きさ、重さが量の実感となって、子どもが数の概念をしっかりと形成する助けになります。10㎝の棒を使って、その他の棒の数がいくつなのかを数えていきます。

 数や文字に興味、関心を持ち始める時期は子どもによって差があります。興味が出てくる時期が早いか遅いかは重要ではなく、興味がわいてきた時期に出合えたかどうか。無理にこちらから提供するのではなく、自分から数への興味に目覚めた時に、目で見て、手で触って、重さや体積を手応えとして実感できる経験が大切です。お風呂で数を数えたり、食事の際にお皿を数えたり、普段の生活の中でも量や重さを実際に体感することで、子ども達は自然と数に親しみを持ち、学んでいくことが出来ます。